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地域創生科学研究科の田部井彩華さんが園芸学会の若手優秀発表賞を受賞しました

 園芸学会令和7年度秋季大会において、地域創生科学研究科2年の田部井彩華さんが、若手優秀発表賞を受賞しました。発表題目は「トマトの近縁野生種に由来するSlKLP遺伝子を過剰発現させた形質転換体の解析」です。口頭発表と質疑応答を通じて、研究の新規性と将来性が高く評価され、今回の受賞に至りました。
 園芸学会は1923年(大正12年)に創立され、園芸に関する研究および技術の進歩を図ることを目的に活動している学術団体です。園芸学会若手優秀発表賞は、優れた研究発表を行った35歳以下の若手会員を対象に、2021年度(令和3年度)に創設されました。本学からは、田部井さんが初めて受賞しました。
 田部井さんは、現在市場に流通しているトマト(栽培品種)の祖先にあたる近縁野生種が持つ、有用な特徴や遺伝子に関する研究を進めています。本発表では、近縁野生種の第12染色体に存在し、果実サイズを増大させる遺伝子(SlKLP遺伝子)を、遺伝子組換え技術を用いてトマトの栽培品種に導入し、果実に及ぼす影響を解析しました。その結果、SlKLP遺伝子は果皮の厚さを増加させることで、果実サイズ増大に寄与することを明らかにしました。今後、近縁野生種に由来するSlKLP遺伝子を利用した新品種の開発や、それに伴う生産性向上などが期待できます。
 また田部井さんの所属する園芸生産科学研究室でこれまで行ってきたトマトの生産性に関する研究成果が、The Horticulture Journal誌にInvited Review(依頼総説)として掲載されるとともに、表紙に採用されました。詳細はThe Horticulture Journal誌94巻4号をご確認ください。

学会発表の様子

田部井さんによる学会発表の様子

賞状

賞状


【関連リンク】
一般社団法人園芸学会
宇都宮大学 農学部
園芸生産科学研究室
研究者総覧 池田裕樹准教授