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[プレスリリース]トマトのウイルス抵抗性遺伝子を打ち破る ウイルス変異株の打破メカニズムの予測に成功

 宇都宮大学農学部の西川尚志准教授、煉谷裕太朗助教、夏秋知英特命教授を中心とする植物病理学研究室と熊本県農業研究センターのグループは、熊本県で発生したトマトのTm-22抵抗性遺伝子を打ち破るトマトモザイクウイルス(tomato mosaic virus: ToMV)の変異株(熊本株)を用いて、その抵抗性打破の仕組みを遺伝子レベルで解析しました。その結果、ウイルスが植物体内を移動するために必須の移行タンパク質(MP)で、240番目のアミノ酸がアスパラギン酸からチロシンに変異することが抵抗性打破を引き起こしていました。さらに、MPとTm-22抵抗性遺伝子の二つのタンパク質の立体構造と相互作用で、熊本株の変異したMPがTm-22抵抗性タンパク質の影響を受けないことで抵抗性を打破すると予測されました。本研究成果は、トマトの新たな抵抗性品種の作出のための基礎的知見として貢献することが期待できます。
 本研究成果は、6月21日、国際学術誌「Virus Genes」に掲載されました(オンライン版)。

立体構造予測の解析の一例

立体構造予測の解析の一例


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<本件に関する問い合わせ>
西川 尚志 (宇都宮大学 学術院 准教授)
TEL:028-649-5449
FAX:028-649-5449
E-mail: nishigawa※cc.utsunomiya-u.ac.jp
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