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国際学部教員と学生による「感染症と平和・人権プロジェクト」

 新型コロナウイルスが社会への影響を及ぼしている中、国際学部 藤井広重 助教が、ゼミ生や「国際平和と司法研究会(UIPJ)」の学生とともに「感染症と平和・人権プロジェクト」を立ち上げました。メンバーは、国際学部2年~4年生と農学部2年生の10名です。3月下旬にプロジェクトを立ち上げてから、学生が中心となって遠隔での打ち合わせを重ね、過去の感染症について調査を実施。5月下旬には、最初の成果物となる「エボラ出血熱の発生から終息宣言まで-私達の新しい生活様式に向けた過去からの教訓」と題したポスターを作成し、図書館、国際学部棟やUUプラザの一部でチラシ版を置いています。様々な情報が飛び交い不安な気持ちにもなる中、本ポスターは、アフリカでのエボラ出血熱に対する社会の反応や取り組みなどから、現在の私たちが過去の事例から得られる学びを提示しています。

 藤井助教はこの活動について、「学内への入構が制限されてからも、学生がプロジェクトを主体的に進めてくれて本当に頼もしく感じました。困難な状況を乗り越えようとする学生の底力を感じます。ポスターを作成するにあたってプロジェクトに参加した学生には、感染症に関しては様々な情報が溢れているからこそ、同分野の専門家ではない我々は、お互いに徹底して情報源(引用元、参考文献)を確認し合い、作成するように伝えました。ポスターをご覧頂き、ひとつに確かにアフリカの医療体制は脆弱ですが、アフリカだからといって感染症対策が全く進んでいないわけではないことを知って頂きたいですし、もうひとつに感染者や医療従事者をめぐる人権侵害は、日本も含め世界に共通して発生しているからこそ、決して軽視してはならない問題であることを伝えられたらと考えています」と語っています。また、藤井助教は、5月に早稲田大学本庄高等学院からの依頼で「アフリカの多様性から考えるグローバルな社会と私たち:新型コロナウイルスに対してアフリカって本当に"脆弱"なの?」と題したオンライン形式での講演会も実施しています。

 今後も継続的に調査活動を行いながら、昨年から宇都宮市内の小中学生を対象に実施している人権ワークショップ(https://www.utsunomiya-u.ac.jp/topics/community/008118.php)
に感染症に関する人権の学びも加え、状況が落ち着いたら改めて実施することを、宇都宮市内の関係者と相談しています。今後、本学の新型コロナウィルス対応ステージが変わり次第、学内でのポスター掲示等を予定しています。