日本各地で生み出される「改良メダカ(※1)」は、愛好家による創意工夫と研究者の科学的分析が結びつくことで、発生や進化の新たな理解へと貢献しつつあります。
本学バイオサイエンス教育研究センターの松田勝教授、埼玉大学大学院理工学研究科・生体制御学プログラムの川村哲規准教授、同大学大学院生の小井田理奈さん(2024年度博士前期課程修了)を中心とした研究グループは、国立遺伝学研究所の前野哲輝 技術専門職員、そしてメダカ愛好家の山本健二さんが"コラボ"して(図1)、背ヒレと尻ヒレが大きく広がる「ワイドフィン・メダカ(※2)」にみられる、同じ遺伝子を有していながら体の形が異なる原因を解明しました。
本研究成果は2025年10月7日に遺伝学分野で最も歴史ある専門誌『Genetics』(米国遺伝学会発刊)にオンラインで掲載されました。

図1:改良メダカの飼育場にて記念撮影
右から、この研究を担当した小井田理奈さん、埼玉大学の川村哲規准教授、本学の松田勝教授、
そして一番左が、今回の研究の出発点となったワイドフィン・メダカを作出した山本健二さん。
地面に並ぶ青い容器には、改良メダカが多数飼育されています。
※1 改良メダカ:観賞用に品種改良されたメダカの総称。愛好家により体色や形態が多様化し、現在は約1,000品種が存在するといわれます。その形態多様性は、見た目の美しさだけでなく、発生や進化の研究においても重要な手がかりを与えてくれます。
※2 ワイドフィン・メダカ:背ビレと尻ビレが通常より大きく広がる、独特の形態をもつ改良メダカです。埼玉県の愛好家・山本健二氏によって作出・発見された系統です。
プレスリリース全文は、以下のリンクからご覧ください。
大学研究者×メダカ愛好家の"コラボ"で、ワイドフィンの謎解明
―同じ遺伝情報でありながら、ヒレの形が異なる理由―
【お問い合わせ】
宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター
松田勝 教授
TEL: 028-649-5527
E-MAIL: matsuda※cc.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に変更してください。)
【関連リンク】
研究者総覧 松田勝 教授
バイオサイエンス教育研究センター