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[プレスリリース]虫に感染するキノコはどうやって標的を見つけるのか?

 サナギタケ(Cordyceps militaris)は、昆虫に感染し子実体(きのこ)を形成する昆虫病原性真菌類の1種であり、東アジアでは古くから薬用として利用されてきました。しかしながら、サナギタケがどのように宿主を見分けて感染するのか、その仕組みはまだよく分かっていません。
 これまでの研究で、宿主の昆虫表皮にあるキチンを認識する新しいタンパク質(CmLec4)を発見し、このタンパク質が宿主の蛹の羽化を遅らせることでその感染に有利な環境を延長させていること、さらに、サナギタケからcmlec4遺伝子を破壊すると子実体の形成が低下することを明らかにしました。これらの結果から、CmLec4は感染および発生において重要な役割を果たす可能性が示唆されています。宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの鈴木智大准教授らの研究グループは、cmlec4がこのキノコの一生の中でどのように働くのかを明らかにするため、cmlec4遺伝子を破壊したサナギタケ(以下Δcmlec4)を用いて、感染能の評価と、感染時期と子実体形成時期におけるトランスクリプトーム解析を行いました。
 その結果、Δcmlec4株は野生株(遺伝子を破壊していない通常のサナギタケ)と比較して感染初期での感染能が低下したことが確認されました。さらに、トランスクリプトーム解析では、感染初期段階(接種後2週間)および子実体形成段階(接種後6週間)の両方において多くの遺伝子の働きが大きく変化していることが分かりました。CmLec4は、宿主認識や代謝の調整、感染に関わる働きを担う重要なタンパク質であることが分かりました。
 本成果は、2026年2月18日付で国際学術誌AMB Express に掲載されました。

プレスリリース全文は、以下のリンクからご覧ください。
プレスリリース

【お問い合わせ】
宇都宮大学 バイオサイエンス教育研准センター
鈴木 智大 准教授
E-mail: suzukit※a.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に変更してください。)

【関連リンク】
研究者総覧 鈴木 智大 准教授
バイオサイエンス教育研究センター