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[プレスリリース]堆肥の長期連用で水田土壌に高い窒素固定活性を確認 ~化学肥料の使用量削減に結び付く可能性も~

 農学部・応用生命化学科の前田勇教授、生物資源科学科の平井英明教授と早川智恵助教、附属農場の高橋行継教授らの研究グループは、水稲の研究圃場で1991年から続く堆肥あるいは化学肥料の施用が土壌の窒素固定活性と細菌叢に及ぼす影響について明らかにしました。堆肥と化学肥料をそれぞれ施用してきた区画における土壌細菌叢の違いは、窒素化合物であるアンモニアと亜硝酸の酸化細菌の存在比において明確に認められました。また、堆肥区では細菌叢の多様性や窒素固定活性が高くなりました。堆肥の長期連用によるこれらの変化はイネ共生細菌の窒素固定能をも向上させ、その結果としてイネにおいて窒素固定を介してより多くの窒素が補われる可能性を示唆しています。
 本研究成果は、6月16日、オンライン学術誌「Environments」で公開されました。

図「資材連用による水田のアンモニア含量と窒素循環に関与する細菌の存在比の変化」 
牛糞堆肥区ではアンモニア含量が比較的低く抑えられており、このことがアンモニアや亜硝酸の酸化細菌の存在比が低く、窒素固定細菌の存在比が高いことの一因となっていることが示唆されます。

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【お問い合わせ】
宇都宮大学 学術院
教授 前田 勇
TEL:028-649-5477
MAIL:i-maeda※cc.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に変更してください。)

【関連リンク】
研究者総覧 前田 勇 教授
研究者総覧 平井 英明 教授
研究者総覧 早川 智恵 助教
研究者総覧 高橋行継 教授
農学部