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[プレスリリース]サウジアラビアでは移民が権威主義体制を支えていることが判明~移民政策は政権の安定性に直結する~

 サウジアラビアでの移民政策は、自国民を優遇し移民に低賃金労働を担わせる「移民エスノクラシー(※1)」を形成し、これが権威主義体制(※2)の維持に寄与しています。
 宇都宮大学国際学部の松尾昌樹教授は、調査実験により、この仕組みが国民の政権支持を支えている実態を初めて実証しました。なかでも、制度の恩恵を受ける層ほど政権への支持が強く、移民政策が国内支持の基盤となっている実態が浮き彫りになりました。

本研究のポイント
・非民主主義的なサウジアラビアの政権支持率は66%。
・サウジアラビア政府は、移民と国民の格差を生成・維持するエスノクラシー体制を確立。
・エスノクラシーの受益者は政府を支持。
・移民流入に対して国民を保護する政策を実施することは、政権維持効果をもつ。


※1 エスノクラシー(Ethnocracy):民族的な差異が、統治・被統治の境界に一致する制度。
※2 権威主義体制:統治体制の分類の一つ。政治参加や言論に明白な制限が存在する。

概要図の画像

本研究成果は、2025年6月26日、学術誌『The Third World Quarterly』オンライン版で公開されました。

プレスリリース全文は、論文情報からご覧ください。



【お問い合わせ】
宇都宮大学 国際学部
教授 松尾昌樹
E-MAIL: matsuom※a.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に変更してください。)


【関連リンク】
研究者総覧 松尾昌樹 教授
宇都宮大学 国際学部