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[プレスリリース]アジサイが球状に咲く原因遺伝子を解明―育種の効率向上や新品種開発に期待―
宇都宮大学の黒倉健准教授が参加する共同研究グループは、アジサイが手まりのように球状に花を咲かせる手まり咲き性を決定する原因遺伝子を特定しました。この遺伝子は「Temary(テマリー)」と名付けられ、アジサイ育種の効率向上や、がく咲き性の植物種への手まり咲き性導入が期待されます。
アジサイには咲き方が異なる「手まり咲き」と「がく咲き」の2種があります。この度、日本大学の奈島賢児専任講師、滋賀県立大学の上町達也准教授らを中心としたグループは、約1150個体のアジサイのゲノムデータを利用して、手まり咲き性を示す原因遺伝子が第4染色体の約118Mbの位置にあることを特定しました。また、手まり咲き性を示す突然変異アジサイの全mRNA発現量を調査し、花の形態形成に関わるSepallata様遺伝子を原因候補遺伝子として見出しました。
さらに、手まり咲き性の品種とがく咲き性の品種のゲノムを解読し、手まり咲き性の個体が機能欠損型の配列のみを保有していることを突き止めました。この研究により、Temary遺伝子が正常に機能するとがく咲き性を示し、機能しない場合には手まり咲き性を示すことが明らかになりました。
本研究では、日本大学生物資源科学部および滋賀県立大学環境科学部が研究の取りまとめと手まり咲き性をもたらすゲノム・遺伝子の解析を、かずさDNA研究所がアジサイ品種のゲノム配列の解読を、福岡県農林業総合試験場、宇都宮大学農学部および栃木県農業総合研究センターは研究に使用するアジサイの育成と栽培を主に担当しました。研究成果は、Horticulture Researchに2024年11月26日付で掲載されました。
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プレスリリース全文
【お問い合わせ】
農学部 生物資源科学科
准教授 黒倉 健
TEL: 028-649-5415
E-MAIL: kurokura※cc.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に変更してください。)
【関連リンク】
研究者総覧 黒倉 健 准教授
農学部生物資源科学科