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[プレスリリース]イモリは再生因子を赤血球で運んでいる!? ~血液の概念を変える新発見~

筑波大学生命環境系 千葉親文教授、中谷敬教授、八畑謙介講師、丸尾文昭助教、櫻井啓輔助教、同 生命環境科学研究科生物科学専攻 Roman M. Casco-Robles院生(D3、MEXT研究留学生)、宇都宮大学大学院工学研究科 外山史准教授、山形大学学術研究院 渡邉明彦教授、熊本大学大学院先端科学研究部(理学系) 江頭恒准教授、名古屋大学アイソトープ総合センター 竹島一仁准教授(当時)、北里大学医療衛生学部 小畑秀一准教授、立教大学理学部 木下勉教授、玉川大学農学部 有泉高史教授、日本獣医生命科学大学獣医学部 中田友明講師らの研究グループ(イモリネットワークNNNプロジェクトグループ)は、アカハライモリの遺伝子(mRNA)情報を網羅する新たなデータベースを独自に開発し、公開しました。
 
研究グループはこれを用いて、イモリが持つ高い再生能力を説明し得る新奇遺伝子を探索し、有尾両生類しか持っていない一つの遺伝子(Newtic1と名付けました)を発見しました。
 
さらに丹念な調査により、Newtic1タンパク質が発現している細胞は、一部の赤血球であることを突き止めました。さらに、Newtic1を発現する赤血球が、特殊な細胞集合体を形成して全身を循環していることや、分泌因子の運び屋としてイモリの肢再生にかかわることを初めて明らかにしました。
* 本研究の成果は2018年5月10日付でScientific Reportsに公開されました。
* 本研究は、科学研究費補助金(221S0002;24240062)および筑波大学研究基盤支援プログラム(Bタイプ)によって実施されました。
 
 
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今回の研究の対象となったアカハライモリ(写真:筑波大学提供)
 
 

研究成果のポイント

1. アカハライモリの包括的な遺伝子解析により、新奇遺伝子Newtic1 を同定し、これまで知られてこなかった赤血球の不思議な行動を明らかにしました。
 
2. 成体イモリの肢再生過程では、赤血球がNewtic1 タンパク質を発現し、再生中の組織に、特殊な細胞集合体となって様々な分泌因子を運び込むことを初めて明らかにしました。
 
3. これらの発見は、血液の概念を変える大きな成果であるとともに、イモリ赤血球成分の生理機能解明と医療応用につながる重要な成果です。
 
 
〇プレスリリース詳細(PDF)
 
<担当・問合せ先>
国立大学法人宇都宮大学
 大学院工学研究科情報システム科学専攻
  准教授 外山 史(とやま ふびと)
 TEL:028-689-6271 
E-mail:fubito※is.utsunomiya-u.ac.jp(※を@に置き換えてください。)
 
 

 

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