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[プレスリリース]果樹が季節に応答して休眠から目覚めるしくみを解明 ―果樹の休眠と発芽におけるヒストン修飾の寄与を解析―

 京都大学大学院農学研究科 山根久代 准教授、Wenxing Chen 同博士課程学生(研究当時:華中農業大学大学院交換留学生、現:華中農業大学ポスドク)、松下美和子 同修士課程学生(研究当時)、玉田洋介 宇都宮大学工学部准教授(研究開始時点:基礎生物学研究所・総合研究大学院大学 助教)の研究グループは、主要果樹であるリンゴ花芽の休眠と発芽において、ヒストンタンパク質の化学的修飾のひとつであるH3K4me3が重要な役割を果たしていることを発見しました。
 本研究ではクロマチン免疫沈降法と次世代シークエンサーを組み合わせた技術であるChIP-seq解析とRNA-seq解析を組み合わせて、休眠から発芽における遺伝子発現のグローバルな変化とヒストン修飾レベルの変化を調べました。その結果、すでに発見していた休眠制御因子からなる休眠制御の中心経路にH3K4me3が寄与することを発見しました。
 地球温暖化はすでに果樹の休眠や開花に影響を及ぼしていますが、本研究成果は、このまま地球温暖化が進行したとしてもその環境に適応できる新たな果樹栽培技術の確立や育種につながることが期待されます。
 本研究成果は、2022年6月14日(現地時刻)に国際学術誌The Plant Journalにオンライン掲載されました。

リンゴが季節に応答して休眠から発芽・開花へ移行する過程におけるH3K4me3ヒストン修飾の寄与の概略図

リンゴが季節に応答して休眠から発芽・開花へ移行する過程におけるH3K4me3ヒストン修飾の寄与の概略図


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<本件に関する問い合わせ>
玉田 洋介
宇都宮大学工学部・准教授
TEL・FAX:028-689-6133
E-mail:tamada※cc.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に置き換えてください)