大学院生兼ハープ奏者兼養蜂家
私の研究テーマは、里山に暮らす人々の記憶による「ヤマ」の可視化です。栃木県の「ヤマ」と呼ぶ場所について、人々がどんな記憶を持っているかを明らかにするため、栃木県在住の山仕事をしてきた男性から「ヤマ」に関する記憶や定義を聞き取り調査しています。今記録しないと永久に失われてしまう、貴重なヤマに関する記憶を記録し後世に残すという意義があります。
私は社会人をしながら大学院で再び学んでいます。自営業でハープ奏者と養蜂家をしているのですが、長期履修制度を利用させていただき、仕事と研究を同時進行しています。
ずっとやってみたかった研究ができていることをとても幸せに思います。
授業については、住まいとは何かを考える「住環境・まちづくり論」が印象に残っています。現在受けている授業のアカデミックコミュニケーションは他分野の学生研究を知ることができるので大変興味深いです。
My Study Journey in Japan
Hi! I am OUM Amra from Cambodia. In late 2018, I embarked on an amazing journey to study in Japan. Currently, I am a second year of master’s degree student at Utsunomiya University in majoring in Agricultural Economics. It had been my dream to study abroad since I was an undergraduate student. Life in Japan has changed me quite in many ways more than I can even express in words. After overcoming homesickness, I started to be a more outgoing person, making friends, becoming open-minded, and being more active.
Barely did I need any adjustment to school life as much as I did with actual everyday life. It’s for the first time that I live apart from family in an apartment. Riding a bike to the supermarket, paying my own bills, and cooking my own meals, have really taught me about independence, bravery, responsibility, and sociable.
Taking the courses at Utsunomiya University is interesting because, besides my current major, I can attend with other faculties to learn various courses or skills. Also, students are required to join the seminar which is a kind of small group study or discussion every week with the professor who can follow up on my research. The seminar is new to me as I learn a lot from other students and the professor. They assist me to check and comments on the mistakes of my research. Furthermore, the university has a ton of extracurricular activities for students to interact with both Japanese students and international students. Although the Japanese language is initially one of the great barriers for me to move around easily in society, there are plenty of opportunities to learn Japanese both at Utsunomiya University and from Japanese friends that we exchange language teaching together between Japanese and English. They are willing to support and help improve language skills. One of the other great things about Utsunomiya University is the officers and professors. They supply and assist all the necessary support in dealing with administrative matters and offer kind-hearted guidance whenever we need it.
I strongly believe that Utsunomiya University is the best place to explore up-to-date knowledge in my field. The knowledge and experiences that I am acquiring in my master course will allow me to realize my dreams for the future, to help create a better world through my activities as a researcher, social worker, and patriotic citizen. I would like to say that Utsunomiya University is a great gateway to explore Japan.
Don’t miss out on an opportunity to become a student at this dynamic, leading university. Last but not least, I would like to express my deep gratitude to the MEXT scholarship for making my dream come true.
何になる,から何をする
私が常に意識していたのは目標(夢)を定めることです.医療の場に関わりたいという目標を設定し,計画分野に進み,医療の場の調査・研究によって知識と現場の空気感を知り,様々な設計活動では,ステークホルダーを巻き込んだコミュニケーションの経験といった,医療施設設計を行う企業に勤めるに足る思考プロセスを身に着ける努力をしていました.
目標を決める上で大切なのは,状況を客観的に観察することだと思います.私の場合,広域的にデータから社会全体を良い方向へ導く,または,狭域的に地域の人たちが使う建築を考える,どちらを目指すべきか迷いました.その答えのきっかけは研究室メンバーとのプロジェクトでの思考の差です.似たようで全く異なる分野を目標とする仲間とのコミュニケーションは,お互いが自分を見つめ直す絶好の機会と考えます.
目標を設定し自らを見つめ直す,大学院での活動によるそのサイクルで,自身の成長を促し,自らがより主体的に住み良い地域をつくることができるような人になれると思います.
0→1、そしてさらに発展へ
私が学部のときに,「祭り」を通して,全国の地域や都市を訪問していました.そして,街づくりやインフラ整備に興味を持ち,高い技術を得るために,大学院へ進学し勉強することにしました.大学院の授業では,多分野のプログラムの学生たちと協力して,行う他分野融合の授業が充実しています.そこで,自分の知見が広がり,かつ自身の分野において新規的な活用に気づくこととなりました.具体的には,工学部の情報や機械プログラムの人たちと,土木プログラムの融合により,街づくりにおけるAI化や,災害時に情報伝達する際の効率化や,新しいシステムの構築などが挙げられました.
何事にも挑戦し行動してきた学部の頃に加えて,論理的かつ多角的な視野を持って研究や授業,課外活動に取り組むことで,一つ発展できていると感じています.この発展を繰り返して,就職後に高い技術力を身に着けていることを期待しています
大学院に進学して
私は農作業安全について研究しています.学部時代には自分で調査をする,というよりも,似た研究をする先輩と一緒に調査をする,という感覚に近かったのですが,大学院に進学したことにより,「自分の研究である」といった意識が強くなりました.その結果,農家さんへの聞き取り調査などではこれまで以上に多くの話を聞くことができ,自分の研究の意義を改めて考え直すことができました.大学や大学院で行われている研究にはすべて意味があります.それを深く理解できたことをうれしく思います.
また,大学院の授業では,自分とは異なる専攻の人たちと共に,様々な分野における課題について学ぶことができました.大学院は自分が専攻している分野について深く学ぶことがメインだと思っていますが,他分野について学ぶことも非常に興味深く,大切であると思います.
私は大学院に進学することで人として大きく成長することができました.残りのわずかな時間も,授業・勉強共に頑張りたいと思います.
常に主体性を持ち、問題解決の道を探ること
中国では石炭が深刻な環境問題を引き起こし、日本では2011年に原発事故がありました。環境問題を引き起こさないエネルギーとして、日中両国で推進されている太陽エネルギーを比較政治学の視点で考察してきました。
その一環で、昨年、鹿沼市と日光市に跨る横根高原にて予備実地調査を行いました。積極的に先生たちやNPOの方に連絡を取り、現地を見て情報や意見を交換しました。その結果、なぜ太陽光発電の建設に差し止め運動が起きているか、地元住民はどのように解決すべきと考えているか、知ることができました。この経験から、主体的に動き、現場の声を聞き創造的に解決策を模索する大切さを知りました。
大学院の授業の中で、私にとって一番スペシャルなのは「ゼミ」です。学問上の困難だけでなく、些細な生活上のことに至るまで、主体的に議論すれば、いつも問題解決の道がみえてきます。今後社会人になっても、常に主体性を持ち、成長していきたいと思います。
大学院進学の夢を叶えて自分の価値を高めた
私は地域創生科学研究科に一期生として入学したので、入学する前からどんな研究科であるのか、ものすごい好奇心が湧いていました。入学してみたら想像以上に楽しい学生生活になり、日本の多文化社会に関するいろいろな問題も発見することができました。
指導教員の社会学の田巻松雄さんのゼミ(私たちのゼミでは教員を~さんと呼んでいます)では、公立夜間中学校と中国残留邦人などに関連する研究に取り組んでいます。先日、田巻さんと関西にフィールドワークに行ったのですが、研究していることの内容の理解がとても深まりました。また、文理融合・分野融合を目的としたグローバルに関する合宿授業、実践力科目の中の英語授業などを通して自分のコミュニケーション力を高めています。
勉強・研究以外でも様々な活動を行っています。例えば私は宇都宮大学HANDS事業の「多言語による高校進学ガイダンス」に参加し、自分の習った日本語と母語の中国語で中国人生徒や保護者を支援することができ嬉しいです。学生ボランティアの活動もあって課外活動が本当に豊富かつグローバル的です。就活の時も自分の学生生活を語る豊富な材料があったことが良かったのか、内定もいただくことができました。
これからは修士論文にもっともっと集中し自身を成長させることに力を注いでいきたいと思います。
今しかできないことを全力で
「せっかく大学院に進学するのなら、今しかできないことをしてみたら?」
これは入学後に母から言われた一言です。社会人として働く同級生がほとんどの中、私は大学院への進学を選択しました。学部生の時に学んできた音楽のことや教育のことをより学びたいと思ったことが進学への決め手ですが、この言葉によりそれだけが学びではないと視野を広げるきっかけとなりました。
大学院の講義では所属するプログラムの開講科目にとらわれず、気になる他プログラムの講義も受講しました。そこでは留学生や社会人学生の方々など様々背景を持った人たちと一緒に学ぶことで新しい考えや視点を得ることができたように思います。
大学以外としては、以前から興味のあったインドネシアバリのガムランを体験するために東京に足を運びました。そこでは学生時代は音楽なんか大嫌いだったという年配の方が楽しそうに演奏し、ガムランの先生とは何年ものお付き合いになるという方がいらっしゃいました。そのほかの方々も純粋に音楽を楽しんでいることがひしひしと感じられる時間でした。楽しいと思える音楽の時間がそこにはありました。
大学院生活を通して地域の様々な「人」と関わる機会に恵まれていると実感しています。この「人」との出会いを大切にするとともに、研究に生かしていきたいと思います。