研究科長挨拶
研究科長からのメッセージ
- 地域創生科学研究科長
- 古神 義則
私たちは,グローバルに大量の情報が飛交う中で,競争的かつ協働的な社会活動を行いつつ,その一方で,ローカルな文化や習慣が根付いた環境において,家族や仲間との共存に癒しを求める生活を営んでいます。それゆえに,両者に配慮しつつ“グローカルな視点を持ち行動できる” ,という資質は,私たちが身につけるべきものといえるでしょう。
“学術的なスキルを身につけて,社会に羽ばたこうとする人々”にとっても,この資質はさらに重要です。
客観的に真理を探求する学術の世界は,グローバル色が非常に強いところといえます。一つの学問分野の中では,ある考察において,境界条件が定まれば,国や人種によらず共通の結論に到達するでしょう。しかし,いざその学術的な考えに基づく工夫を社会に実装しようとした場合,対象となる地域の事情を深く考慮しなくてはならないでしょう。もはや境界条件が一定ではないのです。
大学院で学ぼうとする人は,まさに,“学術的なスキルを身につけて,社会に羽ばたこうとする人々”であるといえるでしょう。各自の専門分野における高度な知識・技能を身につけ,隣接する専門分野についても基礎的な理解力を有し,地域の事情,多様な文化,ものの考え方に配慮しつつ,自分の持つ能力を社会に還元できる,そんな勤勉で柔軟でそして思いやりのある人材こそが,現代において強く求められているのです。
宇都宮大学大学院地域創生科学研究科は,地域をキーワードに文理融合・分野融合を目指した大学院として,2019年4月にスタートしました。地域社会に関するソフトウェア(コミュニティ,社会制度,文化,政策等)やハードウェア(建築,国土保全,環境等)のデザインに貢献できる人材の育成を目的とした「社会科学デザイン専攻」と,工学分野と農学分野に関するものづくり,食料・農林業・環境を支えるイノベーションやマネジメントに貢献できる人材の育成を目的とした「工農総合科学専攻」に加え, 2026年からは,情報工学,データサイエンス,経営情報学の高度な専門性を有し,企業,行政,社会全体にわたる大小様々な階層でのDX推進に貢献できる人材の育成を目的とした「総合情報学専攻」を配した3専攻体制で,21世紀の課題を解決し,イノベーションの創造を支え,持続可能で豊かな地域社会の創生に寄与できる人材を輩出すべく,教育研究活動に取り組んでいます。
これら3専攻に共通したカリキュラムの特徴として、深い専門性を涵養する「プログラム専門科目」に加え,文系・理系を問わず広い学問分野にアプローチして複眼的視座を養うための「地域創生リテラシー科目」や「境界・学際領域科目」を用意している点があげられます。
これはまさに,前述したように,高度な専門的知識・技能の修得に加え,周辺分野に関する基礎的理解と,地域ごとの事情や多様な文化・考え方を尊重する意識を高めることを目指すものです。
もし皆さんが,グローカルな視点,複眼的な視座を持ち,高度な専門知識を活かして,より良い社会づくりに貢献したいとお考えなら,それを目指す場として,本学地域創生科学研究科を最大限利用していただければと思います。