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平成25年度学位記授与式(3月24日) 式辞

 

 

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式 辞

 本日皆さんをお迎えし,学位記授与式を挙行できますことを大変嬉しく思います。学士の学位記を授与される995名,修士の学位記を授与される333名,博士の学位記を授与される15名,計1,343名の皆さんが宇都宮大学を巣立っていかれます。 

 この中には72名の留学生が含まれています。また,宇都宮大学・東京農工大学・茨城大学の3大学で構成される東京農工大学大学院連合農学研究科・博士後期課程の学位記授与式が3月17日に行われ,本学農学研究科教員の指導を受けられた7名の方に博士の学位記が授与されました。宇都宮大学で学ばれ巣立っていかれる皆さんに、教職員を代表して心よりお祝い申し上げます。そして、この日に至るまで皆さんを支え続けて下さったご家族の方々に衷心よりお祝い申し上げます。

 皆さんにとって,本日の学位記授与式は人生の節目であり,新たな歩みのスタートになります。宇都宮大学を学びの場として選ばれた皆さんは,最も活力に満ちた人生の時期を本学で過ごされ、多くの試練を乗り越えられ,めでたく学位を取得されました。学位取得は皆さんの研鑽と努力の結晶であります。同時に,ご家族の経済的・精神的な支え、友人からの励まし,多くの教職員の直接的・間接的な指導・協力によって達成できたものでもあります。先ずは、これらの方々に対する感謝の念を忘れず、深く心に留め,新しい人生を歩まれることを念願します。

 宇都宮大学は、平成21年度に全国の国立大学に先駆けて「英語教育の大改革」を行いました。社会のグローバル化を見据え、実践に役立つ生きた英語教育を立ち上げ、全学部の学生が英語によるコミュニケーションが可能となるよう、大改革を行いました。

 本学が進めた「浴びる英語」をテーマとした実践的な英語教育により、皆さんの英語力は飛躍的に向上しました。入学後1年間の全学学生のTOEIC試験の平均点が34点アップしたことがこのことの証です。本学の取り組みに対し、「2013年度・大学英語教育学会・実践賞」が授与されました。皆さんは、本学の極めて優れた英語教育を受けられています。自信を持って、今後、広く国際社会でご活躍いただければ幸いです。

 また、宇都宮大学は、教養教育とともに、実践を伴う行動的知性を有する人材の育成に力を入れてまいりました。本学で学ばれた皆さんには「行動的知性と実践力」、「人間力」が十分身についています。今後、「高度専門職業人」として社会に貢献しつつ、さらに自己研鑽を積まれながらご活躍いただけるものと期待しています。視野を広げ、専門以外への興味・関心、異分野の人たちとの連携、様々な社会活動への参加など,積極的に多くの人と語らい、助け合っていってほしいと思います。

 さて、皆さんにつけていただいているブルーの「ストール」は、本日の学位記授与式を心からお祝いしたいとの強い思いで、今年度、初めてつくらせていただきました。ストールには3本の線が描かれています。これには「本学の熱い思い」が込められており、本学が掲げる「3つの大きな柱」を表しています。

 1本目の線(柱)は、宇都宮大学のミッション(使命)である「教育・研究・社会貢献」の積極的な推進を意味しています。2本目の線(柱)は、本学のモットーである「地域に学び、地域に返す。地域と大学の支え合い。」を表しており、地域貢献に強い大学でありたいとの願いが込められています。

 日本経済新聞社・産業地域研究所が毎年実施する730余の全国・国公私立大学の「地域貢献度調査」において、本学は、平成23・24・25年度の3年間、連続して「総合第2位」に輝き、地域貢献に強い大学との高い評価を得ています。

 そして、3本目の線(柱)は、国立大学改革を先導する創造的なチャレンジ精神、「宇大スピリッツ:3C」を表しています。「3C」とは、明るい未来を開拓するために、「Challenge・挑戦することの「C」, Change・時代の変化に素早く対応することの「C」,そして、Contribution・広く社会に貢献することの「C」、この3つの「C」であります。

 「宇大スピリッツ:3C」を大学の空気として醸成し、学生と教職員が一体となって未来を開拓していく強い決意を表しています。

 皆さんには、ときにはストールを眺めて、母校を思い出していただきたいと思います。

 さて皆さん、現在の我が国は、少子高齢化、エネルギー環境問題など、多くの課題を抱えています。本学を巣立っていかれる皆さんには分野を問わず何事にも積極的に取り組み,信念と勇気、夢と希望を持って地域の,日本の,そして世界の中で活躍されることを,また、人類の未来に向けて平和な社会を築いていっていただきたいと思います。

 歴史を振り返れば、アルベルト・アインシュタインが質量とエネルギーの等価性に関する特殊相対性理論を発表されたのは1905年であり、以後、100年間余における科学技術は劇的に進歩しました。

 人間は自然法則を科学的に解明し、その成果を基に技術開発を続け、生活に活用し,その恩恵に浴してきました。このこと自体は正しく悪いことではありません。しかし、科学技術の成果をあまりにも急ぎ求め過ぎた嫌いもあり、人間はどこか傲慢で度を超えることの危険性に鈍感になっているように見えます。自然の摂理を知らず、自然界の循環・浄化作用を超えた状態が進み、環境破壊が進行していることも事実です。「人間は,何事においても,度を超えることに慎重でなければならない。」と思います。

 人間社会には科学技術の進歩だけでは対応しきれない面が多くあります。文化芸術・精神文化は人と人との繋がりに心の潤いをもたらしてくれます。特に、昨今はメンタル面への配慮が強く求められています。「精神文化と物質文明がよく調和したバランス社会」を形成するためにも、文系と理系が共鳴し合い、連携融合した「優しい社会づくり」の大切さを再認識し、その実現に向かって歩む勇気が必要であると思います。

 共鳴し合うということは,考え方が異なる異分野の人たちを快く受け入れることであり,言葉や習慣が異なる外国の人たちとの協力体制をつくることであり、異なる分野を組み合わせて新たな価値を創り出すイノベーションの世界です。

 ヨーゼフ・シュンペンターが唱えた「新結合」・「イノベーション」を推進するには,他を受け入れるスケールの大きな人間,広い心をもった人間であることが必要です。人と人との繋がり、共鳴し合える強い連携が必要になればなるほど、素直に心を開いて語ることが大切であり、そのためにも皆さんには自らの強い信念と哲学を持ちつつ、「寛容の精神」を大事にしてほしいと思います。寛容の精神は人間社会の複雑な問題を解決してくれるはずです。

 ご存知のように、ヘレン・ケラーに家庭教師のサリバン先生を紹介した「アレクサンダー・グラハム・ベル」は、「偉大な発見や改革には、常に多くの人の知性による『協力』が不可欠である。」と言われています。人間、一人では何もできません。みんなが力を合わせて『協力』し、共鳴し合い、ネットワークを形成して行動すれば大きなことができるようになります。

  皆さんの前途には輝かしい未来が開かれていることを確信しています。しかし,ときには悩み・迷い、辛抱しなければならないときもあるでしょう。悩み・迷いは努力している証であり、人間を成長させてくれます。

 皆さんが悩み・迷い、行き詰まったとき、宇都宮大学という母校がいつも見守っていることを忘れないで下さい。いろいろな問題に遭遇し,相談したいことがあれば,いつでも,母校の門を叩いてください。宇都宮大学は卒業生・修了生との繋がりを強くしたいと願っています。大学は一時期の学習機関ではなく,皆さんの生涯にわたる学習機関であり、学び直しの機関でもあります。

 むすびに、何事においても初心を忘れず、大志を抱き,逞しく活躍されることを心から願っています。そして、幸運に恵まれ,健康で悔いのない人生を歩まれることをご祈念申し上げて,私の式辞といたします。

 本日は、誠におめでとうございます。

 

平成26年3月24日     国立大学法人 宇都宮大学長   進村 武男

 

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