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平成25年度入学式(10月1日) 式辞

   本日,宇都宮大学大学院に入学された皆さん,ご入学おめでとうございます。宇都宮大学の教職員を代表してご入学を心から歓迎いたします。また,皆さんを温かく見守り支援してこられたご家族の皆様に,心からお祝いを申し上げます。
 
   宇都宮大学は,明治6年に設置された類似師範学校、大正11年に設置された宇都宮高等農林学校を源流とし、昭和24年に,学芸学部(現在の教育学部)と農学部から成る国立大学として発足いたしました。その後,昭和39年に工学部,平成6年に国際学部が設置され,4学部・4大学院研究科を擁する総合大学として今日に至っています。
   卒業生・修了生はその時代の社会の第一線で活躍されました。また,活躍されておられます。宇都宮大学は,これまでの輝かしい伝統を守り、さらに発展させ、教職員一同、力を合わせて,皆さんが立派な高度専門職業人として,教育者、技術者,研究者等へと成長されるよう全力をあげて支援していく覚悟でおります。
 
   本学は,「地域に学び,地域に返す,地域と大学の支え合い」をモットーとして,自ら築いた教育研究の成果の社会還元に努めています。平成18年度に日経グローカルにより全国国公私立大学の「地域貢献度」調査が初めて行われましたが、本学は全国730余の大学の中で総合第1位の栄誉に輝き、以後,毎年フロントランナーとして走り続けてまいりました。昨年度と一昨年度は2年連続して総合第2位の栄誉に輝いています。
 
   大学院に入学された皆さん、高い目標を掲げてその実現に向けて頑張ってください。多様性が求められている現代社会に上手く対応していくには、幅広い視野を持って多方面から物事を探求する姿勢が大切であり,国際レベルの研究を目指して努力してほしいと思います。
   私たちはいま,資源,エネルギー,食料,少子高齢化,環境、原発事故の後処理など、これまで経験したことのない課題に直面しています。私たちを取り巻く状況が大きく変化している中で,大学が果たす役割は一層重要になってきており,これまでの学問領域の枠組みを超えた幅広い知識とそれを活用する能力、特に異分野の連携による新しい価値の創出、さらにはその価値を事業化・起業化して積極的に社会に貢献していく能力をもつ人材の育成が求められています。この実現には困難を伴いますが、恪勤精励、日々の努力の積み重ねによって必ずや実現できるものと確信しています。
   天才作曲家のモーツァルトは、1791年12月5日、35歳の若さで亡くなりました。亡くなる3年前の手紙に自分自身のことを次のように書いています。「私が、ヨーロッパ中の宮廷を周遊していた小さな男の子だった頃から、特別な才能の持ち主、『神童』と何度も何度も言われ続けてきました。目隠しをされて演奏させられたこともあり、ありとあらゆる試験もやらされました。こうしたことは長い時間かけて練習すれば簡単にできるようになります。私が幸運に恵まれていることは認めますが、作曲はまるっきり別の問題です。長年にわたって、私ほど作曲に長い時間と膨大な思考を注いできた人は他には一人もいません。有名な巨匠の作品はすべて念入りに研究しました。作曲家であるということは精力的な思考と何時間にも及ぶ努力を意味するのです。」と書いています。
 
   本日大学院に入学された皆さんには、これから旺盛なチャレンジ精神を持って研究活動に精進していただきたいと思います。長い時間をかけて深く思考し、物事の深奥を極め、本質を見抜いていってほしいと思います。思考が深ければ深いほど、思索の時間が長ければ長いほど、自然の摂理に近づくことができるようになると感じています。
   そして、広く世界の平和と人類の福祉に貢献できることを目指して、人としての教養を高め,知識と技術の修得に励み、夢と希望、信念と勇気を持って未知の課題に挑戦していってほしいと思います。
   そのような皆さんを宇都宮大学は力強く応援し、支援していく覚悟でおります。
 
   寝食を忘れるくらい研究に没頭することが皆さんの仕事ではありますが、しかし、先ずは心身の健康が第一です。時には心の安らぎが必要です。宇都宮大学が位置する宇都宮市は,北関東の交通の要に位置し、日光連山を遠くに見わたせるキャンパスは,広々とした美しい自然環境のなかにあります。そこでの大学院生活,人との交流,文化芸術との出会いは,皆さんの研究活動を一層実りあるものにしてくれるものと思います。
 
   むすびに,本日、宇都宮大学に入学された皆さんの今後の成長と発展を祈念して,私の式辞と致します。本日は、誠におめでとうございます。
 
平成25年10月1日   宇都宮大学長  進村 武男
 

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