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平成25年度学位記授与式(9月30日) 式辞

   本日ここに学位を授与される皆さんをお迎えし,学位記授与式を挙行できますことを大変嬉しく思います。宇都宮大学の教職員を代表して心よりお祝い申し上げます。この日に至るまで皆さんを支えて下さった指導教員をはじめ、多くの方たち,とりわけご家族の方々に衷心よりお祝い申し上げます。
 
   皆さんにとって、学位記授与式は人生の節目であり,新たな歩みのスタートであります。今後、大学院で得られた成果を存分に発揮され,日頃抱き続けてこられた夢をぜひ実現していって欲しいと思います。
   宇都宮大学を学びの場として選ばれた皆さんは,活力に満ちた人生の時期を本学で過ごされ,多くの試練を乗り越えられ,めでたく学位を取得されました。学位は一人で取得できるものではございません。先生方のご指導があり,研究室の皆さんの協力があり,何よりも温かく見守り・それとなく支援してくださったご家族がおられます。まずは、これらの方々への感謝の気持ちが大切と思います。この感謝の気持ちが,人の心を大切にする本物の高度専門職業人、技術者・研究者、立派な社会人へと繋がっていると信じています。
 
   18世紀から19世紀にかけて活躍された偉大な哲学者イマヌエル・カントは、ある晩、夜を徹してジャン=ジャック・ルソーの教育書「エミール」を読みふけり、次の言葉を残しています。『私の誤りをルソーが正してくれた。これまでの目をくらます優越感はまったく消え失せ、私は人間を尊敬することを学んだ」と述べています。
   さて、皆さんには、これから,社会のため・人類のために貢献していただけるものと大いに期待しています。焦らず,あわてず、しっかりと足を地につけて「生涯現役、頑張り続けること」が大切であり,このことが地域貢献・社会貢献に繋がり、結果として,自分自身が報われることに繋がると思います。「継続は力なり」ということわざがあります。
 
   また、スケールの大きな広い心をもった人間であってほしいと思います。特に、全く異なる分野との連携を積極的に進め、新たな価値を創り出し、イノベーションを推進していくには、考え方が異なる人たちとの協働作業、生活習慣や文化が異なる外国の人たちとの連携活動が必要になります。このようなとき、他を受け入れられる心の広さが大切になります。これからの社会には「多様性」が重視されます。多様性を強く求める国際社会を生き抜くには、異分野連携の重要性に対する深い認識、異文化に対する深い理解が必要になります。一方において、自ら考え、独創的なアイディアを発信することの方がもっと重要であります。
 
   異分野・異文化の人たちの意見に耳を傾ける「寛容の精神」とともに、自らが強い信念と夢を持って新たな価値を創り出すことの重要性を強く意識し、自らが創り出した新たな価値をそのままにせず、事業として実践に移し、起業化する「アントレプレーナシップ」の大切さを忘れないでいただければ幸いです。繰り返しになりますが、多様性が強く求められる国際社会を生き抜くには、異分野連携を強力に推進し、新たな価値を創出し、それを実践に移そうとする精神が基盤になると私は信じています。
 
   皆さんの前途には輝かしい未来が開かれています。しかし,ときには思い悩み、本気で辛抱しなければならないときもあるでしょう。本気の辛抱は人の心を豊かにし、思いやりのある人間に成長さてくれます。今後、いろいろな問題に遭遇し,相談したいことがあれば,いつでも母校の門を叩いてください。宇都宮大学は,今まで以上に卒業生・修了生との繋がりを強くしたいと考えています。
   大学は一時期の学習機関ではなく,生涯にわたる学習機関であり、学び直しの場であります。宇都宮大学は,これまでの輝かしい伝統を守りつつさらに発展させ,皆さんの母校として誇れる大学へと一層の努力をして参る所存です。
 
   むすびに,次代を担う皆さんが大志を抱き,社会人として逞しく活躍されることを,また幸運に恵まれ,健康で悔いのない人生を送られることを祈念して,私の式辞といたします。本日は誠におめでとうございます。
 
平成25年9月30日   国立大学法人 宇都宮大学長  進村武男
 

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