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平成23年度学位記授与式(9月30日) 式辞

本日ここに皆さんをお迎えし、学位記授与式を挙行できますことを大変嬉しく思います。学士の学位記を授与される方15名、修士の学位記を授与される方2名、博士の学位記を授与される方9名、計26名の方がめでたく宇都宮大学を巣立っていかれます。宇都宮大学の教職員を代表して心よりお祝い申し上げます。
  
宇都宮大学を学びの場として選ばれた皆さんは、活力に満ちた人生の時期を本学で過ごされ、多くの試練を乗り越えられ、本日めでたく学位を取得されました。まことにおめでとうございます。学位は一人で取得できるものではございません。指導してくださった先生方と研究室の皆さんのご協力があり、温かく見守り・支援してくださったご家族のおかげです。先ずは、これらの方々への心からの感謝の気持ちが大切であります。
  
さて、20世紀は科学技術を著しく進歩させた世紀でありました。キュリー夫人の放射性元素ラジウムの発見、アインシュタインの特殊相対性理論の発表を始めとして、以後100年間の科学技術は飛躍的に発展し、世界大戦の勃発がこれに拍車をかけ、世界経済も新技術の開発を強く求めてきました。このような歴史の流れの中で21世紀に突入し、10年余りが過ぎた今、私達は東日本大震災を経験しました。大震災と原発事故は人間のこれまでの価値観、科学技術万能時代の感覚に大幅な修正を求めているように思われます。
  
人間には科学技術だけでは対応できない側面が多くあります。にもかかわらず、人間は新技術の開発、言い換えれば、人工物の開発に重きをおき過ぎ、そこに価値を見出し、経済もまた新技術開発を強く後押ししてきたこともあり、自然の営みに比べてどこかに偏りと度を超えた行き過ぎが感じられます。文化芸術・精神文化は人と人との繋がりを基盤とする人間社会に心の潤いをもたらしてくれます。文化芸術と科学技術、精神文化と物質文明が程よく調和したバランス社会の形成が大切になっています。このバランス社会の実現には多くの時間がかかりますが、少しでも前進させるためにも、前途有望な皆さんお一人お一人のお力に期待しております。
  
皆さんの前途には輝かしい未来が開かれています。しかし、ときには思い悩み辛抱しなければならないときがあるかもしれません。悩み迷うことは人間を成長させてくれます。迷ったとき、母校である宇都宮大学を思いだして下さい。いろいろな問題に遭遇し、相談したいことがあれば、いつでも母校の門を叩いてください。宇都宮大学は一時期の学習機関ではなく、生涯にわたる学習機関です。あわてず、焦らず、うろたえず、そして欲張らず、じっと足を地につけて頑張ることが、結局は自分自身の成長に繋がっていくものと信じています。
  
最後に、皆さんの今後のご健勝とますますのご発展を祈念し、私からの式辞といたします。本日は、まことにおめでとうございます。
  
                       平成23年9月30日   国立大学法人宇都宮大学長 進村武男

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