TOPICS

平成22年度入学式(10月1日) 式辞

本日,宇都宮大学大学院・工学研究科・博士前期課程に入学された方3名,工学研究科・博士後期課程に入学された方4名、計7名の皆さん,ご入学おめでとうございます。 宇都宮大学の教職員一同を代表して,皆さんのご入学を心からお祝いし,歓迎いたします。また,これまで皆さんを温かく見守り,支援してこられたご家族の皆様にお祝い申し上げます。
宇都宮大学は,昭和24年に,当時の学芸学部と農学部の2学部から成る国立大学として発足しました。学芸学部は,その後,教育学部に名称変更になりましたが,明治6年の類似師範学校を源流としています。農学部は大正11年に設置された宇都宮高等農林学校がその母体になっています。昭和39年に工学部が,平成6年に国際学部が設置され,現在,4学部・4大学院研究科を持ち,10の学内共同教育研究施設(センター)と6つの学部附属施設を擁する総合大学にまで発展してまいりました。昭和24年の発足時から今日まで,5万2千余名の学部卒業生・大学院修了生を世に送り出しました。卒業生・修了生は社会の第一線で活躍されています。この輝かしい伝統を守り・発展させるため,教職員一同は力を合わせて,皆さんが立派な社会人,教育者・技術者,研究者へと成長されるよう全力をあげて支援してまいります。
  
宇都宮大学は,「地域に学び,地域に返す,地域と大学の支え合い。」を地域連携の基本姿勢として,自ら築きあげた教育と研究の成果を社会に発信し,成果の還元に努めています。この努力が実り,平成18年に初めて調査された全国国公私立大学「地域貢献度」において,本学は全国総合第1位の栄誉に輝きました。以後,今日まで,毎年全国大学のトップテンに入っており,今後もフロントランナーとして走り続けるため,頑張っているところです。
  
また,本学は,「豊かな発想を地域に,新たな知を世界へ。」をキャッチフレーズとして,高度専門職業人の育成に努めるとともに,基礎研究と最先端研究を推進し,研究成果を地域のみならず広く世界に発信しています。平成19年4月には,キヤノン株式会社との連携により,光に関する科学研究と技術開発を推進するオプティクス教育研究センターを設置し,昨年度完成した4階建ての新センタービルにおいて,学部及び大学院学生の教育と世界的な研究開発が進められています。光融合技術の推進に必要とされる総額5億円の各種の超高精度研究設備の設置,10年間にわたる大型プロジェクト研究が推進されており,日本一のみならず,世界水準の教育研究拠点として活躍しているところです。
  
大学院に入学された皆さんには,幅広い視野を持って多方面から物事を探求する姿勢を持ち続け,前人未踏の独創的な研究を目指し,研究の心,研究する精神を培ってほしいと思います。前人未踏の独創研究を着想する一つの方法は,狭い分野に閉じこもらず,専門の枠組みを超えた異分野との連携に着目し,新たな発想はないものかと日夜考え続けることでありましょう。研究に迷ったとき,思い切った異分野連携の推進が一つの解決策になると考えています。私は10年間余にわたり,産学官連携の仕事に携わってまいりました。その経験から,異分野連携の神髄は,「人と人との繋がりを大切にして,異分野を快く受け入れる寛容の世界,新たな考えを創り出す創造の世界」にあると考えています。そして,皆さんには,机上の論理でよしとせず,「行動して汗を流すことを厭わない」人間であってほしいと思っています。
  
また,専門分野の精進とともに教養も大切にしてほしいと思います。教養は、皆さんの世界観の形成,人間性の涵養,心の成長に大きな役割を果たします。生き方に対する指針を与えてくれます。高度専門職業人に成長し、国際人となるには,専門の知識や技術だけでは十分でなく,世界の文化を理解・尊重し,より良い人間関係,人と人との繋がりの大切さを感じ取れる人間に成長する必要があります。学問領域の枠組みを超えた幅広い知識とその活用能力を養い,広い見識で客観的に物事を見るバランス感覚が必要になります。科学技術と文化芸術のバランス,自然とのバランスが重要であり,人は何事においても,偏りすぎて度を超えることには慎重でなければならず,バランスのとれた感覚が必要であると思います。皆さんが,専門分野の研究に日夜精進され、学会での研究発表,学会誌への研究論文の投稿、学位論文の執筆に精を出されるが故に、あえて教養の重要性について申し上げました。大学院時代に得た教養は一生の宝物であり,皆さんの将来を強く支えてくれます。焦らず・あわてず・うろたえず,時間軸はゆっくりと流れていくことも念頭に入れて,真に大切なものは何か,足をしっかりと地につけながら,専門分野の研究活動に精進していってほしいと思います。
  
留学生の皆さんは,言葉や文化・習慣が異なる本学で研究に励まれることになります。夢と希望を抱いて,一歩一歩前進していってください。宇都宮大学は,皆さんが必要とする支援は可能な限り行います。多くの友人,知人をつくり,本学での研究成果とともに,たくさんの良い思い出を作ってほしいと思います。
  
大学院における研究活動には厳しさが伴います。ときには悶々とするときもあるでしょう。そのようなときには悩みすぎずに指導教員や研究室の方たちと気軽に話し合われるとよいと思います。元来、研究は自分のために行うものではなく,社会を良くするため、ひいては世界・人類のため,真理探究のために行うものであるという原則を忘れず、また,日頃の健康に留意されて頑張っていただければ幸いです。
  
最後に,本日,宇都宮大学大学院に入学された皆さんの今後のますますの成長とご発展を期待して,私の式辞と致します。
  
                             平成22年10月1日   宇都宮大学長  進村武男
  
 

ページの先頭に戻る